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普通の非自作キーボードの親指用キー数を無理やり増やす (ROG Allyモバイルデスクトップ環境用&ノートPC用)

この記事のまとめ

普通のキーボードの右手側レイアウトをソフトウェア側で最下段以外片っ端から右にずらすと相対的に親指キーが無理やり増やせるぞ

背景:最近の外出時装備について

出かける状況に応じて以下を追加で選んで持ち歩いている。

状況 持ち物
軽めにゲームやる (スマホ+)コントローラ
ちゃんとゲームやる ROG Ally
軽めの作業やる ROG Ally+キーボード+マウス
長めに滞在する ROG Ally+キーボード+マウス+モバイルモニタ

スマホ(Galaxy Z Fold3)だけ持って行けば多少妥協すれば大体のやりたいことは実現できてしまうし、必要に応じてUMPCにオプションを追加すればそこそこ快適なデスクトップ環境を出先で組めて何でも出来るので、外出時に自前のノートPCは全く使わなくなった。
(業務は社有ノートPCしか使えないので必要なら諦めて持って行くけど)

各装備の概要

軽めにゲームやる場合:コントローラを追加

スマホにコントローラだけ追加すれば、Steam Linkで自宅PCにリモートアクセスして遊べる。

安定した通信が必須なので、回線が貧弱な場合や電車等の移動中は遊べないし、遅延にシビアなゲームやSteam以外のゲームも遊べず、いろいろと制約は多い。
快適に遊べる環境がかなり限られるので利用頻度は低下してきている。

なおPCでも認識できるのでAllyの外部コントローラとしても一応使える。

ゲームやる場合:ROG Ally を追加

rog.asus.com
ゲーミングUMPC。マイナージャンル製品だったが最近ValveやASUSLenovo等大手が参入してきて選択肢が増えてきた。

バッテリも携帯性もSwitchに劣るが、Win11で動いておりSteamやGame Pass等がそのまま動くのがかなり便利。
ライブラリ自体をそのまま共有できセーブデータも同期できるのがうれしい。

軽めの作業やる場合:キーボード、マウス を追加

Ally単体でもスクリーンキーボードとジョイスティックで操作できるが、キーボードとマウスを足せば、画面が小さい以外は何も変わらない普通のWindows環境になってくれる。

の条件で探した結果これになった。
ただ、これはレイアウトに課題があり、そのまま常用するには不満が出てきた。(後述)

  • なるべく小型軽量
  • なるべくボタンが多い
  • Bluetooth接続

の条件で探した結果これになった。
小型のトラックボールは操作性がいまいちだったのでマウスにした。

かなりコンパクトに収まる。

長めに滞在する場合:モバイルモニタ を追加

上記に加えて、広い画面も用意すればば完全にWindowsデスクトップになる。

  • なるべく解像度が高い
  • 100%表示して潰れない程度にデカい
  • Type-C一本で機器側との接続が済む (AllyがType-C1ポートしかないので)

の条件で探したらこれになった。
4kのモバイルモニタは17インチまでしかなく等倍表示には小さそうだったので、18インチWQXGAにした。
144Hzも出るけど、性能をフルに使えるゲームはある程度限られる。


セットアップした状態


Ally→モニタ間をType-Cケーブル1本だけ繋げばバッテリ駆動で全部動き、電源→モニタ→Allyで2本繋げば両方給電されAllyは35Wモードで動作する。
最初からまとめてゲーミングノートで良くね感はあるが、単体でポータブルゲーム機になる点と、持ち運べる中では1枚の限界に近いデカい画面が得られる点ではメリットがある。

トータル重量でもゲーミングノートより若干は軽めになる。 (Ally608g + キー157g + マウス64g + モニタ1024g +充電器やカバー = 計1853g +α)

課題:モバイルキーボードの親指レイアウトが気に入らない

自分で基板から作った自作キーボードを自宅デスクトップ環境では使い続けているが、据え置き前提の設計で防御力0なので、持ち運びには全く向いていなかった。
de0.hatenablog.com

荷物をなるべく減らすため、外出時用としては折り畳めて軽量なキーボードを選んだ。(上記のEwin Bluetoothキーボード)

自分しか触らない環境では、自作キーボード以外でも Ctrl,Alt,Enter,全角半角キー を親指で押せるよう設定しているんだけれど、それを実現するには物理的なキーが親指位置に存在する必要がある。
折りたたみキーボードは英字配列が多くかなり選択肢が限られる。英字配列はクソデカスペースキーが親指の一等地を贅沢に陣取っており、貴重な最下段スペースを盛大に無駄にしているので良くない。(いくら長くてもどうせ一箇所しか押さないでしょあれ)

Ewinの折りたたみキーボードは、日本語配列寄りでスペース周りがその辺のキーボードよりは比較的短めになっていて、折り畳みの選択肢の中ではマシな方ではあったけど、これでもまだ親指が遠すぎた。
(本当はCの下とMNの下にスペースの隣のキーがあってほしかった。もっと内側だとより望ましいけど自作以外でほぼ存在しない)


他の選択肢について

Mobo keyboard2 は現行の折り畳みキーボードの中で唯一いい感じの親指周りではあったが、その辺の折り畳みキーボードより2倍弱の重さがあった。この重量になると折り畳みでないキーボードが選択肢に入ってくる。
折りたたみじゃないモバイルキーボードとしては FMV Mobile Keyboard も持っていて、これはマウスを省略できレイアウトも良かった。

重さか折り畳みを諦めるのが手っ取り早いし、そもそもモバイルモニタを持ち運ぶ時点で多少の重量差分は誤差レベルなんだけど、まずは手持ちの折り畳みキーボードで無理やりどうにかする手を思いついたので、とりあえず一旦それで妥協してみることにした。

対処:右側のキーレイアウトを全部ズラす

対処はかなり単純な力技で済んだ。右手側の全キーを片っ端から右にずらせばよい。
右手のホームポジションがそのまま右にズレるので、相対的に親指のキーが1U分近づいてくれた。

※赤キーが変更部分、F13とF14の実際の動作はAutohotkeyで制御

キーアサインの変更にはChange Keyを使った。
本当は右Spaceも要らないんだけど、Spaceは左右で同一のキーコードなのでそこは諦めるしかなかった。
forest.watch.impress.co.jp


私の使い方では右端の列は元々ほとんど使っておらず、
・BS、Enterは右小指では押してなかった(左小指と右親指に割当)
・括弧は格子配列では内側に配置していた
・パイプ"|"はShift+0に割り当てていた
という前提があったので、"\_"の位置以外特に違和感なくズラすことができた。

BS/Enterを小指で使いまくる人だとこの方法ではかなり慣れが要るかもしれない。
数字キーが要らない人なら、キーボードごと180度上下反転させてキーを全部割り当て直すと親指が全部1Uになって良いかも。

ついでにキーキャップの物理配置も多少直す


そのままだと"J"の位置にホームポジション突起が付いていない。慣れでカバーすることも出来そうだけど修正することにした。

手元はほぼ見ないので印字のずれは別に気にならなかったが、どうせ1か所直すなら他もついでにということで、キーキャップを可能な範囲で付け替えた。
....のだけど、1U以外のキーは入れ替えが出来ず、適当に妥協した結果かなり中途半端になった。数字とHJKLは合ってるしまあいいや。

パンタグラフのキーキャップが付け替えられるのかは良く分からないままなんとなく取り掛かったけど、ピンを突っ込んで押し上げたら普通に引っこ抜けたし、上から圧力を掛けたら普通にはめ直せた。

おわり

一見かなりアホみたいな無理やりな方法だったが、結果的に違和感なく自然に使えている。他の外付けキーボードやノートPC内蔵キーボードでも応用が利くので、案外有りな気がする。そこそこおすすめです。

一応許容できるレベルで使えるようにはなったものの、打鍵のペラペラ感やスリープからの復帰の遅さ等、HW側自体に対する細かい不満点はまだ残っている。
パンタグラフかつ内蔵バッテリー構成である市販のモバイルキーボードを超えるのは色々な面でハードルが高そうではあるけど、モバイル前提での自作キーボードの設計もちょっと興味が出てきた。Kailh X Switchなんかも試したい気持ちもある。

ただ、それなりに理想に近い Naya Create は既に注文しているので、いつかこれが届いたらそれで済んじゃう気もする。(延期しまくっておりいつ来るのか分からんけど)


adventar.org
この記事はEwin Bluetooth キーボードとChimera78で書きました

おまけ:その他気になるアイテムのメモ

Legion Go

www.lenovo.com
据え置き時コントローラを分離できる点と、マウスの持ち運びを省略できるのが良さそう。
Type-C端子が複数あったり、おそらく専用EGPUの縛りがなさそうなのも良い。
(AllyはType-Cが1ポートしかなく、EGPUは40万円する専用デバイスしか使えない)

AR/VRグラス(将来的に)

XREAL Airを買ったが結局使わなくなった。
超小型軽量で大型スクリーンが得られるというコンセプトはかなり理想的だったが、映像視聴用以外の用途としては求めている性能にはまだまだ足りなかった。

  • 解像度が低く、Allyだと同等の解像度にしかならずスマホだと本体より悪化する
  • 視野角が狭い
  • 端が見づらい
  • Windowsソフトウェアによる3DoFはまだ不安定かつ乱れる
  • 同時給電をするには別機器も持ち歩く必要がある (こういうやつ)
  • Xreal Beamを持ち歩くとまた余計な荷物が増える

等々の課題がある。
寝て使える点や画面がデカいのは明確な利点だったけど、それを得るために必要な妥協が多すぎた。
解像度と視野角が倍くらいになったらまた買う。

Quest3とか使ってみても良いのかもしれない。こっちはこっちで重さとサイズと装着感の課題があるが、解像度と視野角についてはクリアできそうな気はする。(接続元のスペックが足りるかは不明)
VISORに期待している。

2画面モバイルモニタ

Uperfect Delta MAX Pro 18インチ2k*2枚,144Hz,2.08kg

  • 単品モバイルモニタ2枚とは違い配線やハブを増やさずに済む
  • 畳めば画面が保護できカバーが不要になる
  • スタンドを用意せずに上画面がいい具合の高さになる

といった点が良さそう。そのうち試したい。

最近なぜか選択肢が増え続けていて、把握できてる範囲だと以下がある。

プロジェクター

4kプロジェクターで軽量なものだと3kgくらいのがあるらしい。
2kgくらいある2画面モバイルモニタにさらに+1kgを妥協すれば高解像度大型モニタになる、と考えると悪くない...のか?
段々モバイルとかけ離れてきたけど、真の理想としては自宅と同じ32インチ4kモニタをどこでも使えることなので、デカいモニタをそのまま持ち運ぶよりはまだ現実的な気がする。

デカい高解像度タブレット

Windowsに繋がなくても単品でも機能する点が便利そうな気がするので、モバイルモニタを捨ててタブレットにするのもよさそう。
support.lenovo.com
Type-Cでの映像入力に対応し、そこそこのサイズがあり、さらに高解像度なのがおそらく現状これくらいしか無さそうだった。
日本未発売だが輸入すれば買える。かなり高いので手を出せていない。

ちなみにGalaxy S8 UltraやS9 Ultraにソフトウェア出力して妥協する手もなくはなさそうだけど、確実にハードウェア制御よりは劣るので悩ましいところではある。手持ちの機器で測ってみたところ84ms遅延していた