ipega 初音ミク Project DIVA 専コンとSteam版MEGA39's+用設定
Steam版DIVAが急に来た
初音ミク Project DIVA MEGA39’s+ のSteam版が特に予告なくいきなりリリースされた。
既に持っていたPS4用の小型専用コントローラはそのままでは使えなかったものの、試行錯誤の結果最終的に認識させることが出来たので、設定方法について共有しておきます。
ついでに、このコントローラについての日本語情報が未だにほとんど無さそうだったので簡単に紹介します。
store.steampowered.com
製品
ipegaというメーカーが(おそらく勝手に)出している専用コントローラを買った。
購入当時はPS4のFTDX用として手に入れたが、設定をいじればSteamでも使えた。
幅は29cmしかなく本格的なものよりかなり小さい。DIVALLERなんかだと68cmあるので、だいたいアーケード版の半分くらいの大きさらしい。
△○が片手で同時押しできるくらいの大きさで、場所を取らず取り回しはかなりよい。
値段も7000円くらいで結構安い。
使っている様子等は以下のレビュー(英語)が分かりやすい。
www.youtube.com
仕様等の簡単な補足
- 4ボタン+スライダーに加え、それ以外のボタンやスティックも付いている
- 使わないと思いきや十字キーは結構便利
- スライダーは左半分始動がX軸、右半分始動がZ軸の入力になる
- 片側に指2本を置いて同時スライドを片手だけで入力するような操作(高難易度曲でたまに使う)は、このコントローラではACと違い効かない
- ゲーム側ではアーケードコントローラではなく普通のゲームパッドとして使用する。スライダーでの選曲はできない
- 触りっぱなしでの連続入力は入りにくい。一入力ごとに意識的に放したほうが安定する
- USB Type-Cのメス端子で接続する (着脱可能/任意のケーブルを使用可能)
- 静音設計と書いてあるが結構うるさい
- ボタンはなんとGATERON黒軸(キーボード用のスイッチ)が使われている
- よくある十字ステムに乗っているクソデカキーキャップがボタンの実体
- 実質ほぼ自作キーボードみたいなものなので、半田付けで別のスイッチにおそらく換装可能
内部構造
Steam用の設定
以下の設定をしたらSteam版で使えるようになった。分かれば結構単純だった。
- Steam>設定>コントローラ>一般のコントローラ設定 を開く
- PlayStation設定サポートをONにする
- 検出されたコントローラ より手動でキーアサインする
- 完了 (あとは必要に応じてゲーム内で調整)
ちなみにSwitch版のコントローラもファームウェアを書き換えてPS4用にすると認識するらしい。(未確認)
steamcommunity.com
おわり
ACとスケールのぜんぜん違う簡易的なコントローラとはいえ、ちゃんとした配置でスライダー付きで遊べるのはパッドで遊ぶのとは雲泥の差なので、お手軽環境としては悪くない選択肢なんじゃないかと思う。
3畳防音室で暮らす (寝室 兼 音ゲー部屋 兼 PC部屋 兼 テレワーク部屋)
経緯
IIDX用の専用コントローラの打鍵音は大分うるさく、環境を整えていても集合住宅では昼間しかプレイできない。
音ゲーの「あと一回でやめる」は99%嘘で、実際には成功するか疲れきるまで無限にあと一回が追加され続けるので、計画的にきっちり気持ち良く終わるのは結構難しい。
調子が良くなってきたところで時間を理由に切り上げるのはなかなか歯痒いのと、音ゲーを抜きにしても夜中にあまり音を出せない環境だったので、思い切って防音室を買うことにした。
結果
単にPCと机だけ入れて済ませるなら簡単だったんだけど、やっぱり一箇所でなるべく全部完結させたくなり、これまで使っていた介護ベッドPC環境一式もどうにかして防音室内に維持したくなった。
試行錯誤の末なんとかうまい具合に全部無理なく収まって、飯の用意とトイレと風呂以外は防音室からほぼ出ないで済むようになった。
部屋中の家具が全部可動するおかげでどんな体勢でも防音室内でPCが使える。
座り(机側)
座り(ベッド側)
寝ながら
立ち&縦画面
この記事の大枠は上記の画像の環境を組んだって内容でほぼ全部なんだけど、環境構築にあたっての細かい話や使ったアイテム等を以下に延々と書きます。(だいぶ長いので適当に読み飛ばしてよい)
もくじ
防音室選びの話
選択肢の把握
購入先も種類もいろいろあり探しにくかったんだけど、結果的に中古で買えるラインナップは以下2箇所見れば主要なタイプは大体載っていた。選ぶ際はここから大体の目星を付けていくのがよさそう。
www.piano-plaza.com
info.shimamura.co.jp
メーカはどこも大差なさそうに見えるのであまりこだわらないようにした。
大雑把には以下の順に右に行くほど値段は安く供給は少ない。
- ヤマハ>カワイ>サイレントデザイン>その他謎のメーカー
性能選び
一般的なユニット型防音室の性能の選択肢は、ほぼDr-30、Dr-35、Dr-40のどれかになる。(高いほど高性能)
防音室を置いてある楽器屋に行けば体験させてもらえるので、マイクロスイッチ+ボタンを持参して音の減衰具合を確認させてもらった。
- Dr-30
- 音は小さくなってはいるが期待するほどの効果では無かった
- Dr-35
- 聴こえる音はかなり小さくなった
- 周りの雑音に負けそうなレベル
- Dr-40
- Dr-35よりさらに小さくなった
- 耳をすませばどうにか聞こえるレベル
- ただ、D-30と35の違いに比べて、35から40はそこまで劇的に違う程ではない気がする
- Dr-45以上
- 試してない
- ユニット型の製品も無くはないが希少。値段もすごい
- 部屋ごと加工や用意する系でないと基本的にほとんど無い
結果、Dr-30では思ったほどの効果は感じられなかった。Dr-30で十分であればもっと低性能の簡易的な防音グッズで済ませられるのでは、と思ったが、そんなに甘くはなかった。音ゲー用途的にはDr-35以上あれば充分そうに感じた。
完全に無音にはならないのかと思うかもしれないけど、防音室の分に加えて元の建物の壁の分の防音性能も加わるので、ある程度以下に小さくなった音は実際の運用的には全然聞こえない。
性能選びその他メモ
- D値(Dr-XX)が書いてない製品は、基本的に上記より遥かに低スペックなので選択肢から外して良い。
- ダンボールのやつや簡易パネル並べるやつなんかを検討している人をたまに見かけるけど、性能的に音ゲー用途には向いてないのでおすすめできない。
- 専コンの打鍵音を測定してみたところ、500Hzより低周波の成分をそれなりに含んでいた。Dr-35が35db減衰できるのは500Hzの場合で、低音になるほど遮音性は低下するので、全部数値通りにそのまま減衰してくれるタイプの音ではない点は留意しておいたほうが良いかもしれない。
- 自作の防音室の防音性能を騒音計で測定している例を結構見かけるけど、特定の周波数でしか測っていない上、そもそも500Hzでもなんでもない音を基準にしているので、測定結果をD値と単純比較するのは適切ではなさそう。
サイズ選び
1.2畳あればぎりぎり机と椅子を入れられて、1.5畳なら椅子を引けるゆとりが若干出るくらいの寸法になっていて、店員によるとリモートワーク需要でこれくらいのサイズが今人気らしい。
そのサイズで充分そうだなと最初は思ったが、ここで新たな欲が出てきてしまった。これまで介護ベッドと机でPCを使いまわしていたので、その環境も維持したくなった。
防音室は中古だと定価より大幅に安くなる。だいたい半額くらいは変わってくるので、値段的に新品は避けたい。
ただ、中古で大きい防音室はあんまり出回っておらず、ある程度大きくなった先からは値段も急激に高くなっていくので、費用との現実的なバランスで3畳にした。
購入
2003年製の3畳Dr40のアビテックスを買った。
性能はDr-35でも良かったんだけど、傷有り+汚れ有り+喫煙歴有り+天井低め(低いのは人気無いらしい)の合わせ技のおかげでDr-40でもかなり安いのがあったのでそちらにした。
本体税抜70万+消費税やエアコン設置費や搬入費等込でトータル80万ちょっとくらいだった。この値段で買えたのは大分運がよかったと思う。
ちなみに、「一括で払うからもうちょい安くならんか」と駄目元で聞いたところ、あっさり数万安くなった。もともとその辺もある程度盛り込んだ値段なのかもしれないので、防音室買う際は聞くだけ聞いてみるのが良さそう。
レイアウトの話
3畳あればどうにかなる見込みだったんだけど、実際は意外とギリギリだった。
約1.6m*2.5mの狭い領域中に、介護ベッドと昇降デスクと椅子をいい感じの場所に全部収めないとならない。
(他に居るのかは知らんけど)もし同じ用途で買おうとする人はもう少しだけ広めにしてもいいと思う。
L字(不採用)
買う前に考えていた配置1。悪くはないけど机利用時に椅子の位置が中央に来ないのが若干気持ち悪かった。
短辺が2mくらいあるサイズの防音室だったらよさそう。
向かい(不採用)
買う前に考えていた配置2。椅子が若干窮屈だがデスク側は防音室導入前と変わらず使える。
ベッド利用時のモニタが近すぎるのが計算外だった。モニタアームの支柱は足元周辺に配置しないとならないと分かった。
これは長辺が3mくらいある防音室だったら机を後ろに下げて丁度良さそう。
PCと配線の話
構成
こうなった。
ケーブル穴
防音室内で電源は備え付けの壁タップから取れるんだけど、それ以外のケーブルを中で使うには穴を開けて外からケーブルを通す必要がある。穴は無料で空けてもらえた。ケーブルを通したあとパテ盛りするだけでよく、パテも簡単に付け外しが出来るので後から自由に繋ぎ変えもできる。
LANケーブルを通し中にPCを置くつもりでいたが、よく考えたら入出力デバイスさえ中にあれば良いので、別に本体を中に置く必要は無かった。
USBハブを繋ぐためのUSB延長ケーブルと画面用のDisplayPort1本さえ最低限通せば不自由なく使える。入力デバイスが全てワイヤレスだったら画面1本で済む。(シンクラ用のUSBハブも最終的に不要になったけど撤去するほどでもないので残している)
静音PC / 省スペースPC
もともとベッドと同じ部屋に置いてた都合上、PCの静音性にはある程度気を使っていた。簡易水冷、セミファンレス、静音ケース、静音ファンあたりを意識的に選んでいたんだけど、これでもうその必要も一切無くなった。
部屋の外のPCの稼働音程度では全く室内には聞こえないので、たとえ爆音ファンを積もうが体感では静音PCになる。
以前に完全ファンレスや省スペースPCを検討した結果、結局どっちも高すぎて止めた記憶があるけど、これでもう実質完全ファンレスかつ完璧な省スペースPCみたいなもんである。
ただし、エアコンや換気扇の稼働音はあるので、防音室内が完全に無音になるわけではない。
PCは常時起動なので自分には必要なかったが、リモート電源スイッチなんかも便利かもしれない。
仕事用の端末と入力装置
完全に在宅で済む仕事が羨ましいなぁと前々から思っていたら、昨今の情勢のおかげで、テレワークで済むように環境も制度も勝手に整ってくれてしまった。今年5回も出社してないと思う。
家の外に出る主な用事がもう飯とゲーセンとゴミ捨てくらいしかない。おまけに近所のゲーセンはここ数年で全部潰れたので更に外出の頻度は落ちてしまった。
シンクライアント(と社有携帯)で業務用の環境に接続しているんだけれど、キーボードとマウス以外のUSBデバイス全てとBluetoothが無効化され、素でUSB認識する単純な入力装置しか使えなくなってしまっている。
最初は仕事用に別のUSBキーボードとトラックボールを用意していたが、同機能の物が2セットあるのは無駄が多いし邪魔なので共用にした。
装置 | 機種 | 自分のPC側 | シンクライアント側 |
---|---|---|---|
トラックボール | Pro Fit Ergo Vertical | Bluetooth | USBドングル |
キーボード | Chimera78(オリジナル) | Bluetooth | HIDブリッジドングル |
自作キーボードは今年は基板設計にまで手を出してしまった。沼からなかなか逃れられない。
de0.hatenablog.com
自分のPC環境と仕事の環境は構成上同時に使えないため、特に計算してなかったけど結果的にON/OFFの切替がきっちりできる形にはなった。
INFINITAS向けの妥協
アーケード用のソフトをベースにどうにか家庭用に持ってきた感じだからなのか、このゲームはかなり制約が多い。
使っているグラボとの相性問題かもしれないけど、DisplayPort経由でINFINITASをする場合、時々フォーカスが外れたりするのと、音声を排他モードで出力できない問題があった。また、解像度が固定なので、起動の都度元のウィンドウ配置がぐちゃぐちゃにされたりする問題もあった。
仕方ないので同一ディスプレイにHDMIでも接続し、プレイ時はディスプレイ側でそちらに切り替えて使っている。
また、IIDXの専用コントローラは、X軸の座標は自動的に原点には戻らず、皿の回転方向に応じて座標を移動し続ける入力が発生するようになっている。
これはゲーム中以外を考慮していない傍迷惑な仕様で、USB接続中はゲームパッドのスティックがどこかしらに倒されている状態として認識される。一定時間操作がないときのような動作は使えなくなるし、どのデバイスを使うかを選べないタイプの普通のゲームだと、キャラが勝手に一方向に移動しっぱなしになったりする。
対策として、物理的なスイッチで専コンのUSB接続を一括で切断出来るようにはしたけど、ディスプレイ出力の制約等も含め、完全にゲーム専用PCを用意したほうが何もかも楽そうな気はする。
換気の話
防音室には標準装備の換気扇が付いていて常時運転する作りになっている。ただし扉からの定期的な換気も必要とされており、おそらく常時中に人が居続けるのを想定してはいないと思われるので、どの程度換気できているか調べてみた。
センサー
このCO2センサーを使った。そこそこ良い値段するが、 安物はゴミの可能性があるとの記事を復数目にしたので、諦めてまともそうな物を買った。
Amazonレビューのおかげで、OEM品で実はPCからロギングが出来ると知った。(公式には何の説明もない)
3秒間隔で値がCSV出力され続け、GUIからはリアルタイムグラフと月/週/日/時の過去グラフが見られるほか、指定値を超えたらポップアップでのアラートも出せる。
二酸化炭素濃度の参考値
濃度とパフォーマンスの影響は以下が参考になる。
測定結果
・防音室内:2300ppmくらい
・防音室外:1900ppmくらい
最初に特に対策無しで測定したところ上記の値で、防音室以前に部屋自体の二酸化炭素濃度が既にそこそこ高めだった。換気も何もしてないので仕方ない。
浴室の窓を常時網戸にし台所の換気扇も回し続けるようにしたところ、防音室外は400~600ppm程度になった。
室内にいる場合は+20ppm/分程度のぺースで濃度が上昇した。中に居れば居るだけどんどん上がっていくので、50分間隔くらいでドアからの換気が必要になる。
換気扇停止した場合は+50ppm/分ペースになるのと、換気時の給気口正面の値を取ると常に700ppm台にはなっていたので、換気はされているが呼吸のCO2排出ペースに負けている状態になってしまっているようだ。
センサーのWindowsアプリでこんな具合のグラフが取れる。
- グラフが切れてるように見えるところはY軸上限3000ppmを超えている
- 急激に下がっている箇所はそのタイミングで扉を空けている
- ドアから換気しないと濃度はひたすら上がり続ける(4000ppmくらいまでは確認した。多分もっと上がる)
- 閉め切った状態で寝た場合、明らかに寝付きの悪さが感じられた。
たまに扉を開けて換気したり、あまり音を出さないときは扉を半開きにしておく運用をしばらく続けたんだけど、換気の意識自体が面倒なのでどうにか対策したくなった。
とりあえず、普通に座ってるだけなら基本的に常時2000ppm以下を何もしなくても維持できる状態を目標にした。
付属換気扇
防音室に付属の換気扇の型番を調べたところこれだった。熱交換素子が入っていて換気時の熱のロスが少なく防音性の高いタイプの換気装置で、パナソニックだと"気調"、三菱だと"ロスナイ"って呼ばれる製品らしい。
仕様上の有効換気量は13.5㎥/hだった。単純比較出来るのかは分からないけど、建築基準法では20㎥/h、厚生労働省推奨値では30㎥/hとのことなので、防音室に居座るには数字だけ見た感じ大分貧弱に見える。(本来は定期的に扉の開放で換気する前提なので仕方ないけど)
類似製品中では壁に開ける穴が多分一番小さく済む(Φ65)ようなので、防音性重視の選択なのかもしれない。
換気扇交換
Webで公開されている三菱のカタログとパナソニックのカタログから良さそうなものを探した。
換気量基準は足りてそうだし、元の3倍くらい性能があれば性能が足りていない分の毎分20ppmの増加も多分どうにかなるだろとの雑な見積で、壁の穴空けが一つで済む中で一番有効換気量が高かった(38㎥/h)、FY-16ZG1-Wを付けてみた。
工具
元の換気扇よりパイプの経が大きいので、穴を広げる必要がある。
壁の穴開けとパイプ長さ調整には工具が必要だったので、ホールソーとパイプソーも買った。
取り付け自体は出来たけど、ブレて穴の周りも削ったり、パイプの断面が垂直にならなかったりしたので、素人が初見で安い工具で綺麗に出来る作業ではないのかもしれない。特に動作に影響はないのでまあいいや。
下の所の壁紙ガリッてやっちゃった
結果
- 効果
- 換気扇の稼働音は大きくなった (スペック上は31.5dBから38dBに増えている)
- 換気扇からの音漏れは元との差がよくわからないレベルだった
- 全体的に値が抑えられ、普通に過ごすだけなら1700ppmくらいで打ち止めになるようになった
- 利用状況との対応
閉めっぱなしでも具合が悪くならないレベルに収まるようにはなったし、小さめの壁穴一つで済む限界の性能ではあるので、とりあえずこれで良しとした。測定中はなるべく扉を閉めていたけど実際は常時締め切る必要もないし、扉の出入りだけで自然に換気も都度勝手に発生する。
更に強化するなら、穴を2つ開けるタイプの換気扇に交換したり(94㎥/hまで性能が上がる)、換気扇の個数自体を増やしたりするともっと換気性能を伸ばせそうではあるけど、壁へのダメージと防音性低下がありそうなのでやめた。
ちなみに、部屋に植物でも置いたらどうかとも思ったが、酸素の生成量が人間と2桁くらい違っていて、数本置いた程度では全く効果は期待できないようだ。
昇降デスクの改造の話
IIDXの専用コントローラ(PHOENIXWAN)はかなり場所を取るので、1個でさえでかいのに2つ置くと机の大半が埋まってしまう。プレイ中以外は無意味な置物でしかないので、なるべく邪魔にならない場所にしまっておきたい。
Swiftの制約
机はオカムラのSwiftを使っている。木目調の見た目だけど木は外装だけで天板は金属製なので、木製のように後付でネジを打ち込んだりできず、加工が結構難しい。
公式オプション用のネジ穴がいくつか有るにはあるが、場所は固定で大したことはできない。
構成
どうにかする方法を色々試した結果、最終的にこうなった。
- 足と天板の間にL字アングルを挟む
- 机の元の連結ネジで足-アングル-天板を固定する
- L字アングルにステーを付ける
- ステーに別のL字アングルを付ける
- L字アングルにメタルラック(ルミナス)の足を上下反転させて付ける
- スライド棚(ラックのパーツ)を付ける
- 補強バーを付ける (付けなくても成立はする)
- 昇降デスクのコントローラをステーに付ける
木製で作れば寸法調整等含め全体的に簡単ではあるんだろうけど、毎分1000回くらいのペースで狂ったようにボタンを叩き続けるゲームをやる都合上、十分な強度と安定性の確保のため金属パーツのみで組んだ。
スライド棚の幅が少しだけ足りず、アーケード基準の配置よりコントローラ同士の間隔が若干狭いが、特に違和感はなかった。
[asin:B001O7EKG8:detail]
ちなみに、前にULTIMATE MOBILE用の変換器を自作したりもしたけど、DP出来ないので結局INFINITASしかやらなくなってしまった。
de0.hatenablog.com
拡張
ルミナスラック準拠なので、豊富な拡張パーツが全部使えて付け替えの自由度がかなり高い。
横のバーに各種バスケット付けたり、下に棚拡張したり等、パーツがあれば大体何でもできる。
- ティッシュ入れ (現状使ってない:マグネットで直付けしたほうが便利)
- 菓子入れ (原状使ってない:より大きいバスケットに入れた)
- ハーフシェルフ増設 (原状使ってない:特に置くもの無くなった)
- バスケット
ベッド側テーブルの追加
机を傾けて設置しているせいでベッド利用時の左手側が遠くなっていたので、いい感じの位置に左手のキーボードを設置できるように拡張した。
適当な板に穴を開けてSwiftの背面中央のオプション用の穴に1本ネジ止めしただけで即完成した。回転して位置調整や格納もできる。
角の天板の追加
机を斜めに配置しているせいで角のスペースが余っていた。中途半端で勿体ないのでちょっと拡張した。板の角をカットしてL字アングルでネジ止めして固定し、安定性向上のため下段のバスケットとの間に支柱(突っ張り棒)を入れた。
面倒だったのでやらなかったけど、L字アングルではなく机の天板と足の間に追加天板を挿入したほうが本当は強度的にはよさそう。
エアコンの話
そもそも要るか
密閉された狭い部屋なので、無いと夏に暑さで大変つらい目に合う。頻繁に使うのなら確実に必要になると思う。
逆に冬はエアコン無しでも防音室内は20度くらいだったので、厚着すれば暖房なしでもどうにかなるレベルだった。
熱が逃げず容積も限られるのでエアコンの効きは最高に良い。
工事
エアコン設置は防音室設置と別に料金がかかる。(店によるかもしれない)
何か特別な工程が要るのかもと思い一応注文したが、防音室の壁にエアコン穴を開ける以外は普通のエアコン設置と大して変わらないように見えた。
自分で出来る人は、ホールソー、マウント金具、ホースを用意して自力でやれば数万の節約になりそう。
排水
建物側のエアコン穴が防音室のエアコン穴より高い位置にある場合、重力に負けるので室外に排水できない。
その場合はポリタンクを置いてそこに排水することになるので、溜まったら人力で水を捨てに行く必要があるのと、ポリタンク配置分の面積が必要になる。
ポンプの追加
水を捨てに行くのがそんな頻繁に必要になるわけでもないけど、装置の後付で屋外排水に出来るようなので自力で設置した。
通常はドレンアップキットを使うようだった。ただ、3万くらいする上に仕様がよくわからず、うちの環境に付けられるのかどうかもいまいちはっきりしなかった。
代わりに、謎の格安ポンプが見つかったので、こちらを試してみたところ上手く行った。排水チューブを屋外に出し、電源を取り、穴にエアコンの排水を入れるだけでよい。
もし壊れた場合はおそらく水が溢れる点だけは心配なところではある。
念の為に漏水センサーを用意して下に設置しておいたけど、今の所至って正常なので別に無くても良かったかもしれない。
その他オプションの話
防音室の扉とPCの連動
扉と連動して自動的にミュートされる仕組みをarduinoで作った。地味に便利。
de0.hatenablog.com
サウンドバー
ヘッドホンなしで遠慮なく音が出せるようになったのでサウンドバーを付けた。
ホームセンターに売ってる適当な金属プレートをVESA穴に付けて固定した。最初は下に付けていたが、上の方がスッキリするのでそっちにした。
ワイヤレスチャイム
玄関チャイムを鳴らしても中に聞こえないので、来客が全然分からなくなってしまった。(通販か出前くらいしか来ないが)
音が出るだけのチャイムなら意外と安く買えたので、これを付けて防音室内でチャイムが鳴るようにした。
棚
入口以外の部屋の端は割と余裕がある。特にベッド背後側がガラ空きなので、フィギュア置き場にした。
丁度いいサイズの棚を探したりしたけど、3畳しかないおかげで幅的につっぱりラックが直接使えたので、最終的にそちらの方が無駄が無くて良かった。
ついでに、下部に車載用のバンド固定式タブレットホルダーを付けて、完全にベッドを寝かせたときの真上にタブレットを配置してはみたけど、結局ほとんど使っていない。
大体装備がごちゃ盛りのメカと布多めでひらついてるやつ
デジタル壁飾り
Atmoph Windowが気になっていたが置物にしては月額費用が厳しかったので、Androidタブレットで妥協の産物を作った。
HWが雑でもWindowSwap自体の質がかなり高いので割と良い。
自動制御エアマットレス(ここちあ結起3D)
寝たきりの人の床ずれ向け製品。体重のかけ方やベッドの状態に連動しつつ全自動で空気圧を調整していい感じに体圧分散してくれる。
定価が21万するので手を出せなかったが、中古が出回るようになってきて2万で買えた。楽匠Z本体もそうだったけど、介護用品の中古はどれも滅茶苦茶安くなるようだ。
介護ベッドとリンクしていて、傾きに応じ背中や座面周りを自動調整してくれるので地味に快適になった。一定以上の角度が付くと、背中を固めに+座面中央を柔らかめに+座面左右を立体的に盛り上げ になるように動き、座りやすい形と硬さに自動変形してくれる。
ベッド本体用より豪華なコントローラが付いていて各種設定が出来るが、基本的に全部勝手に動いてくれるので、初期設定時以外では全くコントローラを触る場面はない。
照明
天井が低いのに加え配置位置がモニタの裏になっていて、付属の照明では結構まぶしかった。調光できて間接照明風に出来る製品を買った。
上下の照明が個別に設定できるので、下は全部切って基本は上だけ使っている。
眩しさの軽減はされたが、カバーの透明度が高めなので製品写真の印象よりは間接照明感は薄めだった。
ほかの用途の話
出来るようになった:カラオケ
そんなに頻繁には使わないけど、防音室があるといつでもカラオケが出来るようになった。買ってから気づいた。
DAMもJoysoundも家庭用のソフトががいろいろ用意されていて、マイクだけ用意しておけば時間課金でカラオケ屋と大体同じ感じにカラオケが出来る。(マイナー曲は削られているので完全に同じではない)
ドリンクバーは付かないけど実店舗より大幅に安い。動作環境により若干値段が違うが、24時間なら300~500円程度、800~1500円程度で30日歌える。
タブレットから操作できるSwitch版が一番使いやすかった。
store-jp.nintendo.com
単に手持ちのmp3流して適当に歌うだけでも割と遊べる。歌はカラオケで歌うものみたいな固定観念に囚われていて、歌おうと思えば別にいつでも歌えるってことを完全に忘れていた。
出来そうなアップグレード案の話
以下、やったら良くなりそうだけど試していない製品のリスト。
Active Sleep Bed
睡眠センサーと連動して自動運転してくれるベッド。
パラマウント製だけど、介護ベッドではなく一般向けの高級ベッド枠として出しているようだ。
かなり良さそうだけど43万する。楽匠Zのように全体を傾ける機能はない。
activesleep.jp
ここちあ利楽Flow
自動制御エアマットレスの最新型。
内蔵のセンサーが増えてたりしていろいろパワーアップしているらしい。
いつか中古が捨て値で出回るようになったら試してみたい。
www.paramount.co.jp
Odyssey neo G9
5120x1440、240Hzのスーパーウルトラワイドゲーミング曲面モニタ。
前は耐えられるモニタアームが存在しなかったが、エルゴトロンが対応アクセサリを出したのでマウント可能になった。
日本未発売だけど個人輸入で買える。どんな感じなのか一回使ってみたい気持ちはあるけれど、なんとなく試すには20万超えはさすがに高すぎる。
また、社有PCは4k出力には対応するがスーパーウルトラワイドには対応していないので、いつか新たな良いPCが支給されるまではどっちにしろ保留とする。(そんなPCは多分ずっと支給されない)
www.samsung.com
ちなみに、額縁が邪魔なのと構成に無駄が多い点に目をつぶれるのであれば、HXのデュアルやHXのトリプルを使ってアーム一本でのマルチモニタをやる選択肢もある。
ただ、個人的には大画面4kゲーミングモニタが1枚あれば十分に感じる。これ一枚でウィンドウ10枚を常時並べて表示して使えているので、これ以上情報量を増やすほどでもなさそう。
うるさらX
室外機経由で換気出来る機能が付いているエアコン。
これを導入すると屋外からダイレクトに給気する経路が出来るので、空調がさらに強化できそう。
ただ、そのためだけにわざわざ入れ替えるにはさすがに大掛かり過ぎる。
www.daikinaircon.com
※追記:その後結局買った。1700ppmくらいだったのが900ppmくらいに改善された。
プロフェッショナルモデル専コン
最新の専用コントローラ。皿が良いらしい。
いわゆる8万コンで、DPならばその2倍の16万円が必要になる。気になりはするけど、かなり満足行く性能を持つPHOENIXWANが既にあるので金額的に手が出せない。
コナミは最近周辺機器やPC等で色々eSportsとかゲーミングデバイス周りを頑張り出しているようだけど、ゲーミング防音室とかもいかがでしょうか。
https://www.konamistyle.jp/products/detail.php?product_id=109617www.konamistyle.jp
いい感じの椅子
使っているリープチェアの座面が破けてきた。
まだ全然使えるけど、せっかくなので何か新しい椅子を試したい気持ちが出てきた。
おわり
お金のある人だったら一軒家買うとか地下室用意するとか防音物件選べばスペースの制約なんか無いので、狭い空間で全部どうにかしようとすること自体がかなり中途半端な需要なのかもしれない。
PC部屋晒しの画像は国内外にいろいろあるけど、大体はモニタや機材を盛りまくりつつ光る方向なので、狭い空間の例はあまりなくて参考にしにくかった。ベッド絡みの事例となると滅多に見つからない。
この系統でもっと他の例も見てみたいので、何か似たことをやっている人がいたり、良い感じのアイテムがあったりしたら教えてください。
adventar.org
今年買ってよかったもの Advent Calendar 2021 の4日目の記事でした。
自作キーボードの基板設計は意外とどうにかなる話
自作キーボードの基板設計にふと興味が出てきたのでやってみることにした。
結果
Row-Staggeredでロープロファイルでロータリーエンコーダ付きの左右分割ワイヤレスキーボードが作れた。
売られているキーボードを作っている人は内容既に全部理解した上で作っているんだろうけど、基板設計絡みの記載はあまり見当たらず、大体は細部まで作り込まれた成果物が「ね、簡単でしょ?」みたいなノリでいきなりお出しされてくるので、今回はその辺の過程について、自分用の最小限割り切りまくり構成で作ってみた感想のメモをだらだら書きます。
条件
Helixキーボードを2年以上使った結果、格子配列には完全に慣れ、普通のズレ(Row-Staggered)は別に必須ではなくなったんだけど、せっかくなのでHelixを買った当時に欲しかった仕様で作ってみることにした。
- 左右分割
- Row-Staggered
- 薄い
- 親指に4キー以上
- 数字キー有りかつ6が左
- 電池駆動
そんなに厳しい条件じゃないつもりなのに、意外とこれを満たすキーボードは無かった。
- 親指に4キー以上
- 親指で出来る操作の選択肢が増えるのでキーは多いほうが良い
- しかし実際にはやたら長いキーが置かれ役目はスペース一個だったりする(特に英語配列)
- 6キーが左
- 電池駆動
- ワイヤレス自作キーボードの電源は省スペース性重視でボタン電池から取るケースが多いようだが、使い勝手は微妙
- 入手性が悪く、充電も効かない
- 交換時、それぞれ逆側から棒で押し出して突っ込み直すような工程が必要
- ワイヤレス自作キーボードの電源は省スペース性重視でボタン電池から取るケースが多いようだが、使い勝手は微妙
作成のざっくりした流れ
kicadという単体のツールでどうにかなると思っていたら、kicad内外に様々なツールやファイル形式がある上に工程も多く、最初はかなり混乱することになった。
結局のところ以下をやればキーボード用基板が作れる。
- キーボードパーツ用のフットプリントとシンボルの入手
- ダウンロードしてkicadに追加するだけ
- 各パーツ用のテンプレが一通り用意されているので、一般的でない特殊パーツを使わなければ基本的には自分で作る必要なし
- 回路の設計
- Eeschemaで.schファイルを編集する
- Pro Microとスイッチとダイオードをマトリクス配線する
- 使うキー分を決まったパターンで縦横に全部繋ぐだけの単純作業なので、設計といっても特に頭使うことなし
- それ以外のパーツは別に必須じゃないので適当に省いてよい
- ロータリーエンコーダ等その他各種パーツも用意されてるので、他に必要なパーツは追加して繋げば使える
- 物理配置の設計
- Pcbnewで.kicad_pcbファイルを編集する
- フットプリントを並べてキー等の物理的なレイアウトを決める
- Pro Micro、スイッチ、ネジ穴を並べて基板のカット形状を決める
- 回路を物理配置上に反映する
- FreeRouting(kicadとは別の外部ツール)で自動配線させる
- Kicadからエクスポートした.dsnファイルを処理後インポートする
- GNDの塗りつぶし以外全部やってくれるので流して待つだけ
- FreeRouting(kicadとは別の外部ツール)で自動配線させる
- 製造用のファイルを生成する
- Kicadからまとめて出力してくれる
- 以下のファイルが出来る
- 銅レイヤ(裏/表):name-B.Cu.gbr、name-F.Cu.gbr
- はんだマスクレイヤ(裏/表):name-B.Mask.gbr、name-F.Mask.gbr
- シルクスクリーンレイヤ(裏/表):name-B.SilkS.gbr、name-F.SilkS.gbr
- カット線:name-Edge.Cuts.gbr
- 穴位置(メッキ有/無):name-PTH.drl、name-NPTH.drl
- トッププレートを設計する
- 要らないので省略
- ボトムプレートを設計する
- 要らないので省略
- 業者に発注する
- 生成された9ファイルを業者指定の名前にリネームする
- elecrow.com にzipでアップロードして発注する(他の店もある)
- アップロードと条件指定(色とか枚数とか)した後は、その辺の普通のネットショップと同じようにカートに入れて買うだけ
- キーボード片側サイズ5枚がだいたい$25くらいで出来る(1枚500円くらい)
- なお10cm*10cmを下回ると滅茶苦茶安くなり10枚が$5で出来る
- 送料がそこそこかかるので大体合計4000円ちょっとで作れる
- だいたい2週間くらいで届く
(以降は普通の自作キーボードと同じように組み立て)
やたらやることが多そうに見えるけど、実際考える必要があるのは物理配置くらいで、そこさえ決まっていれば他の工程でやるべきことはほぼ自動的に決まり単純作業で終わった。
作る際に読むべき
kicadのことを何も知らなかったので、最初は色々ネット上の情報をググりつつやっていたんだけど、これは結果的にかなり遠回りだった。
最終的に必要な内容は「自作キーボード設計入門」 に結局全部書いてあった。
booth.pm
知識なしでこれから基板作ろうとしてる人は、おとなしく最初にこれだけ読むのが一番早くて間違いないと思う。
他のレイアウト案
Keyboard Layout Editorで色々考えたあと、キーキャップの画像と電池基板の写真を雑コラして見た目を確認したときの画像を貼ります
四角くするパターン
Kailhの刻印キーキャップには1.5Uのキーキャップが8つ含まれているので、使おうと思えば左右各4つまでは使える。
別に1.5Uにしなくても空振らないし、キーキャップの選択肢も減るのでやめた。(Chocだと選択肢自体あんまり無いけど)
端に電池&BMP付けるパターン
別にTRRSケーブルを繋ぐわけでもないし、USBケーブルを接続することも滅多にないので、特に端にある必要が無いことに気づいた。
電池が一番邪魔にならないのは真ん中だった。
実際作ってみて分かったことや感想など
物理レイアウト設計以外考える必要ほぼ無し
必要な作業が多くて一見かなり大変そうだけど、実際はやることは決まっていて、3番の物理配置の設計以外はほとんど頭を使わずに出来てしまう内容だった。
各工程とも詳細は「自作キーボード設計入門」に書いてある内容をそのままなぞればほぼ済んでしまう。特殊仕様を入れたり細かいところまで拘ったりするのでなければ、各工程での試行錯誤や調整の余地はあんまりない。
高度な知識が特に要求されずに基盤完成まで辿り着ける環境が整っているので、自作キーボードを一台作って概要を理解した人だったら基板設計はそこまで破茶滅茶にハードルの高い行為ではなかった。
電流計算等は不要
物理配置にしても、キーボード用のフットプリントやシンボルが何もかも揃っているので、それらを好きに並べるだけで完成した。
オームやらキルヒホッフやらの法則とかを使いつつ各部品毎に流れる電流を計算しながら抵抗入れて調整したりするのかな、という漠然とした設計イメージでいたのだけど、一切そんな必要は無かった。
実際はすでに用意されているパーツを単に並べていくだけで良く、配線も回路設計の通りに自動でいい感じにやってくれる。
トッププレート無くてもどうにかなる
本当は基板に合わせたトッププレートの設計とボトムプレートの設計をし、アクリルやPCBのカットで作成するのがよくある流れのようだ.。(あとは、最初から既存ケースに合わせて設計するか、3Dプリンタでケース作るか等)
ただ、気にしなければプレートは別に無くても大丈夫だった。この工程をすっ飛ばせると設計の手間がかなり減らせる。
キーの固定強化やデザイン性での意味があるようだけど、そもそもキーは半田でくっついているし、見た目を気にしないなら別に無くても大して変わらない。ロープロファイルだと見た目の影響も少ない。
仮にキーが取れてももう一回半田付けすれば良いと思う。(取れたことないけど)
ボトムプレートも無くてもどうにかなる
裏面の保護、剛性を上げる、重さを盛る、見た目要素、といった辺りの意味が主にあるようだけど、持ち運びしないのであれば剥き出しで特に支障ないと思う。(打ち心地や打鍵音のこだわりが大して無いせいもあるけど)
さすがにそのままだと凸凹でガタつくので、ゴム足を適当に直張りすれば使える。
プレートの省略で厚みが減らせるため、メカニカルスイッチを使うキーボードでの限界に近い薄さ(机からキートップまで14mmくらい)になるメリットも一応ある。
なお、もっと薄い基板で発注する、キーの端子をカットする、更に薄いゴム足を使う、等でもう何mmか削れはするはずなので、完全な限界ではない。
目的は限りなく薄くすることではなく、パームレストを不要にすることなので、これくらいで十分過ぎるくらいだと思う。多少薄さを捨ててChoc V2にしてキーキャップの選択肢を取るのもありかもしれない。
(そもそも本当の限界を追求するなら、ChocでなくPG1425スイッチを使うのがよさそう)
Helixとの比較
余り基板をボトムプレートに使うのもあり
基板発注時には最低数量があり、elecrowの場合少なくとも5枚は届いてしまう。同じ基板が5枚も要らないので絶対余る。(おまけで更にもっと多く届いたりする場合もある)
全く同じ形状をしているので、間にナットを入れて余った基板をネジ止めするだけでボトムプレートの代わりになる。
これすらも別に要らないなと思い最終的に基板に直にゴム足にしたけど、手抜きの選択肢の一つにはなるかと思う。
基盤形状凝る必要なし
基盤にパーツが被らない場所に余白を設けている既存の自作キーボードが結構あるので、何かしら設計上の意味があるのかと思っていたんだけど、別にそんなことは特に無さそうだった。(ケース絡みくらい?)
いろいろ基盤デザイン案を考えてはみたものの、変に空間を余らせたりロゴ入れ文字入れをしても、デザインセンスが無いとどんどん野暮ったくなる一方だった。
何も考えず、余り一切なしで単純にパーツの外周に沿ってそのまま切り取るのが、結局簡単かつ見た目的にも一番マシだった。
幅広キーいらない
1U以上の幅の長いキーは、色々な人が使う前提で個人の打鍵位置のブレを吸収する意味はありそうだけど、利用者が一人なら基本的に各キーは同一位置しか押されないので、押す位置に最初から1Uのキー配置すれば済んでしまう。
配置時のキー間隔の計算やスタビライザーの配置が省略できるので、全部1Uだけで良い気がする。
BLE Micro Pro前提だと楽
リセットボタンは使わないし、一切有線接続しないのであればTRSSジャックも要らなくなる。電池部分は販売されている別パーツをそのまま乗せれば動くため、BMP本体とキースイッチの接続だけ考慮すればキーボードとして動作する。
ソフトウェア側としても、作ったキーボードに対応させるのにファームウェアから作る必要はなく、設定ファイル(config.json)を単純に書き換えるだけで終わる。
予めBLE Micro Proの仕様の理解は必要にはなるけど、全体的にいろいろと省力化できた。
なお、電池周りを既存パーツを使わずに基板上に実装すればレイアウトの自由度が大幅に増えるので、一回作った後はその辺りも試したい欲求は出てくる。
ズレと分割
これまであまり意識したことなかったが、普通のキーボードの行のズレは均等ではなく、1234~の行から順に、QWER~の行は0.5Uのズレ、ASDF~の列は0.25Uのズレ、ZXCV~の行は0.5Uのズレとなっている。
よくある分割キーボードは、同一基板を裏表使って左右対称にしている場合が多いようだけど、0.25Uのズレが存在するせいで、左右対称のリバーシブル基板にすることが出来なかった。(裏返した側は0.75Uのズレになってしまう)
普通のズレのある配列かつ分割の自作キーボードが少ないのは、このせいで左右別基板が必要になって作るのが面倒だからなのかなあと思った。
EnterやBSを普通の配置で右手小指に入れようとすると、左手側のレイアウトとどんどん不一致になってくるって理由もありそう。自分は普段から通常のキー配列のノートPC等でも別の位置にAutohotkeyで割り当てているので、その辺りは大して重要ではなかった。
キー配置
いきなり左右別配置で基板2枚作るのは失敗しそうだし費用も工数も倍になって無駄が多いので、同一のレイアウトで左右両方使える基板をとりあえず作った。
1種類の基板かつ裏返さず済む配置にするために、片側だけに必要な位置のキーも両手分入れないとならない。さほど必要でないキーが左右それぞれに入ってしまうが、まあ少ないよりは良いやととりあえず良しとした。
マウス/トラックボールとの距離に影響がある横方向の幅の無駄さえ少なければ、奥行きの省スペース性は配置上大して重要じゃない気がする。縦方向に空きを作ってもあんまり省スペースにはならないので、今回はキー数をケチらずにとりあえず埋められるだけ埋めた。
ちなみに、左右合体機能は必要とするタイミングが一切無かったしこれからも無さそうので考慮しないことにした。
ロータリーエンコーダ
いわゆるつまみ。ボリュームコントロールとの相性が最高だったので付けておくことにした。
ロープロファイルのロータリーエンコーダだと、つままずに真上から指一本でスライドする操作になるので、同じ手で他のキーを押してレイヤ移動しながらでも無理なく回すことができる。
ロータリーエンコーダ付きの他のキーボードでは、上下左右四隅のどこかに置いている場合が多いようだけど、レイヤ移動を親指で行う場合に遠すぎるので、内側中央付近に置いたほうが個人的には便利に感じた。
設計の際、スイッチのフットプリントとロータリーエンコーダのフットプリントを単純に重ねて配置すれば普通のキーと両対応にできた。
名前
売り物でない個人用のキーボードとかも含め、みんな何でキーボードに名前付けるのだろうかと前から謎だった。(フェニックス1号かよと思っていた)
実際のところ、kicadのプロジェクト名だったり認識させるデバイス名として何か指定しないとならないからなのかもしれない。
このキーボードの名前は、形状の一致+キー数 より、DENIM76 にした。
もう一個作りたくなってくる
1回試しにやるだけで終わるつもりで手を出したのに、いざ1個完成させてみると改善したいところが山ほど出てくる。
ここに穴空けとけばよかった、格子配列で作りたい、親指キー傾けたい、電池を基板に直載せしたい、etc、etc
普通のズレのキーボードとしては満足の行く出来で完成はしたし利用上の問題も全く無いんだけれど、せっかくRow-Staggeredで作ったのにやっぱり格子配列が恋しくなって来ていて、もう一台作りたい欲が出てきてしまっている。
タイピング速度や精度は配列が違っても大して変わらかった(どちらもe-typingで350~400 / monkeytypeで65~75くらい)けど、押しやすさは格子配列のほうが完全に上だった。
(ちなみにColumn-Staggeredは近場のキーの連続入力時の縦方向の位置関係が滅茶苦茶になるのが合わなかった。waとかseとかmiとかkoのような配置)
作り方を一旦理解したら2個目以降は簡単にまた再設計して発注できてしまうので、どこかで妥協しないとキーボードが増え続けそうな気配を感じる。
...結局作った
…といったここまでの内容を書きかけて、下書きのまま公開せず長い間寝かせていたうちに、案の定結局もう一台作ってしまった。
なまえ:Chimera78
(形状バラバラの7x4と狭3x2と親指と電池の結合で出来ているので)
仕様
今回は色々手を加えたHelixを使っているうちに欲しくなった仕様を加えたキーボードを作った。
- 親指キーの傾け
- 親指キーの追加
- 普通の位置関係の単体の矢印キー
- マクロパッド
- ロータリーエンコーダと昇圧モジュールの両立
- 昇圧モジュールのネジ止め
普段のキャレット移動等には矢印はIJKLのレイヤ割り当てを使っているんだけど、電子書籍のページ送り、動画操作、特定のゲーム用途あたりには単品で使える普通の矢印があると嬉しいので、ちゃんと付けることにした。
キーピッチの混在
今回は19x18キーピッチの格子配列を基本にして、端の6キーだけ16x16キーピッチにしてみた。
キーピッチを混ぜる他の作例は見かけたことが無かったんだけど、存在しては欲しいが通常のタイピング中には一切使わない系のキーを詰め込むのには結構有りな選択肢な気がする。
文字入力と用途が独立している、ランチャ、マクロパッド、メディアキー、ペアリング、機器制御(エアコン/昇降デスク/介護ベッド変形)のような機能をコンパクトに突っ込むのに良さそう。
狭ピッチキーキャップ
キーピッチ混在方式が一見良さげなのに全く流行っていないのは、キーキャップが共通じゃない上に入手性が悪いからかもしれない。
16mmピッチかつロープロファイルのキーキャップはメーカの市販品だと存在しないので、今回はmcsp lp用のキーキャップを塗装して使った。
ただ、黒を白に染めるのはかなりの回数の重ね塗りが必要だったのと、既存キーキャップの白とは若干色味が違ったりしたので、黒ベースで作ったほうがどう考えても楽だった。
狭ピッチキーキャップについては以下が詳しい。
e3w2q.github.io
採用しなかった他のレイアウト案詰め合わせ
- 青:角削ってカーソルとおまけを置く例
- 幅が増えるのでやめた
- 幅はポインティングデバイスとの距離に直結するのでなるべく削るべき
- 黃:6U幅に7キー突っ込める
- 最上列にマクロパッドやFキー入れたい場合に有りかも
- 幅と違い縦方向はいくら盛っても影響少ないので多段にしても良さそう
- 赤:もっとキーが欲しい場合は有りかも
- 設計当時こんなに要らんと思ってやめたが、これでも良かった気もしてきた
- 緑:親指を傾けずに詰める場合の配置
- こっちのほうが密度を上げられるが、キーの角が気になるのでやめた
- 単純に狭ピッチで配置するのが良いかも
他の仕様案
キーピッチは横方向が変わると違和感が大きかったけど、縦の場合は特に窮屈さは感じられなかった。(単に19mm→18mmで1mmしか削ってないせいかもしれないが)
狭いほうが移動量が減るのは確実なので、窮屈でないようだったら縦方向だけをもっと狭めてみるって方向も有りなのかもしれない。
左手側にも独立した矢印があっても結構便利と分かったので、カーソルに回す分キー数をもう少し増やしたくなってきたし、親指も狭ピッチにするのも良さそうに思えてきた。
これでもうこれ以上キーボード作らなくて済むようになるつもりで設計したはずだったんだけど、キーキャップの寸法に合わせて軽い気持ちでたった1mm調整しただけで、こうして連鎖的に新たな沼が次々と襲いかかってくる。
おわり
"基板設計"の字面からは、難解で謎の専門技術をいろいろ要するような印象を受けるけど、実際は単にスイッチとダイオードが全部Pro Microと繋がってさえいればキーボードとして成立する。
作りたい配置が決まっていたら設計の大半は実質ほぼ終わっているようなもので、基板は意外と単純に作れてしまった。
既存のキーボードには無い変な配置のキーボードが欲しくなってしまった人は、あんまりビビらずに基板設計に手を出してみても良いんじゃないかと思います。
adventar.org
この記事はDENIM76とChimera78で書きました。
PCBデータ (とBMP用設定とRemap用json)
www.dropbox.com
この中身をelecrowに発注すると同じものが作れる。ただ、穴がズレてたりGND塗りつぶせてなかったりといろいろ完璧には程遠いし、ビルドガイドも無い。
他の材料:スイッチ、ダイオード、電池基盤、BLE Micro Pro、ゴム足
WindowSwapで作るミニAtmoph Windowもどき:外装アップグレード編
この記事の続き。
de0.hatenablog.com
使わなくなったAndroidタブレットでWindowSwapを常時表示させて、部屋の飾りにしていた。
完成したものは壁にコマンドタブで取り付けていたんだけど、地震の際に壁紙ごと毟れて落下してしまった。もっと貼り付ける数を増やして負荷分散するか、フックを使っておくべきだった。
100均ケースが落下で壊れたので、同じものを作り直すのではなく、折角だしもっといい見た目にしてみることにした。
いい感じのオーダー額縁を買う
用途が飾りなだけに、自力でがんばって作っても見てくれの粗が目立つことが予想されるので、無理せず既製品を探すことにした。
縦横だけでなく厚みまで含めた指定寸法でのオーダーに対応していた店に注文してみた。
www.gakubuti.net
縦横はタブレットの仕様の数値通りの幅を指定し、厚さは8mmで注文した。
値段は3472円で、注文から1週間で届いた。
届く
額縁+アクリル+裏板+吊し紐 で出来ている標準的な構成だった。アクリルは今回は使わなかった。
内側が補強されていて、予想していたよりも大分良い作りをしていた。
突っ込む
ぴったり収まった。
内部は1mm弱くらいの余裕が設けられていて、裏蓋は曲面のプラスチックのスライドで止まる。
本当は側面に直接ドリルで穴を開けるつもりで買ったんだけど、USBのL字延長を繋ぎ隙間からケーブルを出したら無加工で終わった。
ケーブル方向の寸法はもうすこし余裕を持たせておいても良かったかもしれない。かなりギリギリだった。
側面のボリュームボタン等は押せなくなるが、操作することはないので気にしない。
電子書籍ページめくり機 (Keyboard Quantizer+フィンガープレゼンター)
経緯
ベッドに入りながら電子書籍を読むことが結構ある。
ワイヤレストラックボールを持っていけばベッド内からページ送りは出来るんだけど、重量とサイズがそこそこあるので、手の自由度は低い。
自炊した電子書籍をローカルのビューアで読む場合、ビューア側でキーカスタマイズしてフィンガープレゼンターでページ送りをしていた。指に常時装着できて小型軽量なおかげで、どんな姿勢でも楽に使えて結構便利だった。
ただ、最近は電子書籍がかなり充実してくれたおかげで、紙の本を裁断してスキャンする機会が殆どなくなってしまった。ScanSnapの利用頻度は年に数回程度まで落ち込んでおり、0回になるのも時間の問題な気がする。
KindleやWeb漫画にはキーコンフィグが存在しない。ローカルのビューアのようにフィンガープレゼンターは使えないので、諦めてトラックボールに逆戻りすることになってしまった。
対策
しばらく長い間トラックボールで妥協していたが、ふと解決策を思いついた。
プレゼンターは実質キーボードとして動作しているため、Keyboard Quantizerをプレゼンターのドングルに噛ませればよい。
これは既存のUSBキーボードをRemapに対応させる機器で、ハードウェア側でのキーカスタマイズができる。すごい。
nogikes.booth.pm
動作報告なんてものは当然無いので、とりあえず駄目元で手に入れて試してみた結果、目論見通りうまく行ってくれた。やったね。
キーアサイン
初期状態
この製品は各ボタンで以下のキー入力が発生する。
ボタン | 入力されるキー | 長押し時に入力されるキー |
---|---|---|
> | PgUp | p |
< | PGDn | b |
□ | tab | Altを押しながらTabを1秒ごとに入力 |
- 入力が発生するまで2秒くらい要するので長押しの使い勝手は悪い
- ハードウェア側で長押し判定があるので、Remap側で長押しの処理は出来ない
- □の長押しの挙動が特殊なため、このキーは長押しの割り当てが難しい
Remap後
ボタン | 入力されるキー | 長押し時に入力されるキー |
---|---|---|
> | → | Enter |
< | ← | Play/Pause |
□ | Space | 1秒毎にAlt+Spaceが入力される(使わない) |
キーを増やす場合は長押しにTG()やTO()でレイヤー切り替えをしても良いかもしれない。現状は左右だけあれば良いため今回は使わなかった。大抵の電子書籍ビューアは左右で動いてくれる。
FAUCETWO(おうちボルテ用専コン)の静音化と仕様補足
最新のSDVX用非純正コントローラの、FAUCETWOを買った。
静音化を行えたのでその内容についてと、製品説明の書き方からはいまいち読み取りにくい仕様のちょっとした補足について、これから買う人の参考に書いておきます。
静音化
デフォルトだとかなり打鍵音がうるさい。PHONEXWANよりはるかに音がデカかった。
静音化は、PHOENIXWANと同様のよくある普通の方法でうまく行った。
・ボタン底フェルト貼り付け
・バネにシリコンスプレー
テープやパテ等の追加でさらに静音化することも出来そうだけど、個人的にはこれくらいで十分な気がする。
1. 背面はマグネットで簡単に開くので、各ボタンを外す
(メンテナンス性はかなり良い)
2. ボタンの底の四隅に、フェルトシートを適当にカットして貼る
→ボタンのバチバチ音が軽減される (LRキーも同様)
3. バネにシリコンスプレーを吹く
→バネの音が軽減される
4. 元通り組み立て直す(おわり)
仕様の補足
つまみが光学式
つまみは、アーケード筐体や過去のコントローラで使われているロータリーエンコーダではなく、フォトセンサが使われていた。(IIDXの皿方式)
壊れるまで使ったわけではないけど、センサが非接触式なので、仕組み上おそらくロータリーエンコーダより耐久性が大幅に高くなっている(はず)。
IIDX筐体の皿がシート剥がれ以外で壊れているのは現状一度も見たことがないので、それなりに期待している。
ちなみに、モード切替により、ロータリーエンコーダに換装したとしても認識するらしい。(未確認)
つまみの重さ調整
つまみ調整用のシートが付いており、これを増減することでつまみの調整ができる。
マニュアルの抜粋 (なお、記載されているURLを見ても現時点では何も書いてない)
個人的にはデフォルトのままで良いと感じた。
LED
USB-BとUSB-Cの端子がありUSB-Cは給電用になっている。
光る必要が無ければUSB-Cは挿さなくてよいが、USB-Cを挿さなくてもボタンは光る。
USB-Cを繋いだ場合、デフォルトでは(左右逆な気がするが)、上が黄色、左が赤、右が青で光る。色は調整可能。
キーコンビネーション一覧として公開されている中に、以下のよくわからない項目があった。
- 左のノブの色を変更します
- 右のノブの色を変更します
- 上部LEDのカラーモードを変更します
実際使ってみたら分かったが、ノブの色~の操作は、各つまみを回したタイミングで上部(デフォ黄色発光部分)が光る色の変更で、カラーモードについては上部LEDの色を単色or虹色で切り替える機能だった。ゲーミングデバイス虹色に光りがち。
自分には光る意味が感じられなかったので最終的にUSB-Bしか繋いでいない。
感想とか
SDVXはそんなにガチガチにやっているわけではないけど、DAOボタン60g構成でも特に問題ないように感じた。こだわりが無ければ安い方のボタンでも良いかもしれない。
センサ方式の違いについても、プレイ上一切違和感なく至って普通にプレイできた。無反応や遅れ等もない。
特に何の不満もなく遊べる優秀なコントローラだった。
他製品と値段も大して変わらないので、専コンをこれから買うならこれ一択で良い気がする。
自作キーボード Helix (rev3じゃない方)に SU120 でそこそこ簡単にロータリーエンコーダを増設する
経緯
ロータリーエンコーダが搭載可能な新しいHelix(rev3)が出たのを見て、ロータリーエンコーダに興味が出てきた。
ただ特に目的があるわけではなく、とりあえずロータリーエンコーダを試したいだけであって、まるごと買い換えるほどでもないくらいの興味だったので、今使ってるキーボード(以前のHelix)でそのまま使えないか調べてみた。
結果
できた。
Helix + BLE Micro Pro + SU120 + ロータリーエンコーダ + 電池基盤 + 昇圧モジュール
完成品に後から色々変更加えられるのが自作キーボードの良いところだと思う。
本当は両手とも単4駆動にしたかったんだけど、配置スペースの都合で片側はボタン電池で妥協した。
材料
土台:Helix + BLE Micro Pro
- SU120 (500円)
- ロータリーエンコーダ (ノブ付き:800円)
- M1.4のネジとナット2組
- リード線
特に基盤作ったり3Dプリントしたりは必要なく、既存パーツの組み合わせだけで結果的に上手く行った。
増設方法
設定を変える
BLE Micro Proでは、専用の設定が用意されているので、物理的にロータリーエンコーダと接続する2ピンとGNDを確保すれば簡単に動くようになっていた。encoder.jsonのenabledを1にしてピン番号を指定するだけで使える。
直付けしたらちゃんと動いてくれたので、配置場所と固定方法を考えてちゃんとキーボード上に配置してみることにした。
空間を確保する
自分の用途的に全く不要なTRRSジャックとリセットボタンとLCDを全部取っ払ってそこに置くことにした。
(無線前提なので、有線で使う場合はこの場所は使えない)
Helixの拡張性がすごい
BLE Micro Proから直接配線するつもりだったが、公開されているHelixの基盤を見てみたところ、使われてないスルーホールが色々用意されていた。
普通に使う分には全く要らないものなので、こういった拡張を見越して用意してあったのかもしれない。ありがたい。
配線する
ちょうど良いところにあったSDA/SCL端子とリセットボタン用だったGND端子にロータリーエンコーダを繋いだら、期待通り動いてくれた。
表で配線を引き回す必要がなくなったおかげで、かなりスッキリした構成にできた。
固定する
ロータリーエンコーダに直接ネジ止めできるような作りにはなっていないため、固定方法をどうにかしないとならない。
SU120のロータリーエンコーダ用基盤部分がいい感じに使えそうだったので、そこだけ切り取って固定用に使ってみることにした。
SU120の穴がM1.4なのに対して、Helixの穴(もともとアクリルカバーを付ける用)はM2なのでサイズが合っていないが、気にせず固定してみたら大丈夫だった。
4箇所中2箇所しか固定できず、端子や導線分の厚さも基板裏面に加わるせいで固定時に若干傾きが出来てしまったんだけど、思いがけず回しやすい感じの位置に偶然なってくれたのでよしとした。
塗装する
ついでに、ノブの色が白くて浮いていたので、ラッカー吹いて黒く塗った。
割り当て
特に何に割り当てたいとかの目的があって作ったわけではないため、出来てからいくつか試してみた。
対になる操作2種類を1Uに収められ、同一キーの連打もしやすいので、普通のキーにはない操作性がロータリーエンコーダだと得られて思ったより便利だった。無くても困らないけどあると助かる。
現状は以下の3セットを割り当てている。(2組目以降はレイヤ切替)
- PageUP / PageDown
- Ctrl+Tab / Ctrl+Shift+Tab (タブ切り替え)
- VolumeUP / VolumeDown
他のアサイン例
- Left / Right とか、 Up / Down あたりも汎用性が高そうな組み合わせだった。
- Ctrl+Z / Ctrl+Y の割り当ては、挙動は面白いんだけど実際にはそんなに使う機会がなかった。
- Alt+Tab / Alt+Shift+Tab は画面狭い人だと便利かもしれない。
- 動作中のアプリケーション毎に動作を切り替えたい場合は、 F20 / F21 とか適当な使わないキーを割り当てた上で、Autohotkeyで制御するのがよさそう。
他に何か便利なキーの割り当てがあったら教えてください。